梅雨入り前後になると、魚売り場に「入梅イワシ」と書かれたマイワシが並びはじめます。いつものイワシと何が違うのか、なぜこの時期が狙い目なのか、名前だけ聞いてよく分からない方も多いかもしれません。この記事では、入梅イワシとマイワシの関係や旬の理由、おいしい食べ方まで分かりやすくご紹介していきます。
【イワシの王】入梅イワシとは?マイワシとの関係と旬の時期
入梅イワシってどんなマイワシ?
入梅イワシとは、梅雨時期(入梅前後)に旬を迎えるマイワシのことを指します。一般に「マイワシ=真イワシ」が対象で、脂がのって刺身でも楽しめることから、こう呼ばれるようになりました。
マイワシはイワシ類の中でも比較的大型で、成魚は20cm前後になることもあり、日本近海で最も重要な食用魚の一つです。春〜秋(特に6〜8月)にかけて九州以北の沿岸で大量に産卵し、その前後に体内にエネルギーを蓄えるため、ちょうど梅雨どきの入梅イワシは脂がピークに近い状態になります。大量の群れで回遊する「群れ魚」なので、当たり年には沿岸で驚くほどまとまって水揚げされ、鮮度のよいものが手頃な価格で出回ります。
梅雨どきに脂が乗る理由(海水温・エサ・産卵サイクル)
梅雨期は沿岸の海水温が上がり、プランクトンが増えることでエサが豊富になります。産卵に備えて栄養を蓄えやすく、体に脂が回るため「脂のってとろける」ような状態になるのです。産卵直前の個体は特に脂が厚く、旨味が濃くなります。
マイワシはもともと植物プランクトンや、それを食べる小型動物プランクトンを主食としています。そのため、沿岸の栄養塩が増えて植物プランクトンが増殖するタイミングと、資源量や脂の乗りが強く結びついています。黒潮などの暖流の張り出しや蛇行で18℃以上の水塊が岸近くまで寄ると、仔魚〜若魚の生残も良くなり、群れ全体として太りやすい条件が整います。
また産卵期が春〜秋に広く分布しているため、梅雨どきには「これから産卵に向かう前の個体」「一回目の産卵を終えたがまだ体力のある個体」などが混じり、脂の乗り方にも個体差が出ます。腹がほどよく張り、身に透明感と弾力がある魚を選ぶことで、入梅イワシのベストタイミングをつかみやすくなります。
他のイワシ(カタクチイワシ・ウルメイワシ)との違い
カタクチイワシやウルメイワシとは、サイズや脂の質、風味が異なります。マイワシは比較的大型で脂

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