昭和の食卓を飾った「チューリップ唐揚げ」が、令和のいま、SNS映えメニューとしてひそかに注目を集めています。
花のチューリップのようなかわいい見た目で、子どもから大人まで思わず手が伸びるひと品。ちょっとしたコツさえ押さえれば、自宅でもごちそう感たっぷりのチューリップ唐揚げが楽しめます。
昭和の贅沢、令和の映え。チューリップ唐揚げってどんな料理?
「チューリップ」とは?名前の由来と形の秘密
チューリップ唐揚げは、手羽先や手羽元の先端を落とし、骨に沿って切り込みを入れて肉を引き上げ、球根のような形に整えた唐揚げです。花びらが開いたチューリップの形に似ていることから名付けられました。見た目が華やかで、手に取りやすいのが特徴です。
本来のチューリップという花は、球根からすっと茎が伸び、その先端に丸みを帯びた一輪の花が咲き、花びらがふんわり開く姿が印象的です。唐揚げの成形では、骨を茎、寄せ集めた肉をふくらんだ花や球根に見立てており、花のフォルムを料理に落とし込んだ、日本ならではの遊び心あるネーミングといえます。
昭和世代には懐かしい、ごちそうメニューの背景
チューリップ唐揚げは、昭和の家庭や宴会で出るごちそうのひとつでした。見栄えが良く「特別感」を出せるため人気があり、外食文化が今ほど普及していなかった時代には、手作りで振る舞われ、祝いの席にもよく登場しました。
誕生日やクリスマス、お正月などの「ハレの日」には、オードブルの中心として大皿に盛られることも多く、ケーキのろうそくのようにチューリップ唐揚げを立てて飾る家庭もありました。春の花であるチューリップのイメージから、入学・卒業など新生活の門出を祝うメニューとしても重宝され、「チューリップ=お祝い」というイメージが自然と根づいていきました。
令和のパーティーで“映える”理由
チューリップ唐揚げは、ワンハンドで食べやすく、写真映えしやすい点が、現代のSNS時代にぴったりです。ブーケ状に盛りつければテーブルが一気に華やぎます。
実際のチューリップは色や花形のバリエーションが豊富で、花束やフラワーアレンジでは「色をそろえる」「グラデーションにする」など見せ方の工夫がしやすい花です。チューリップ唐揚げも同様に、ソースの色やトッピングを変えて「赤系」「黄色系」などテーマカラーを決めると、世界観が出て写真映えします。花束のように高さを出して盛るのもポイントです。
チューリップ唐揚げに向く「肉の選び方」と下準備
チューリップにしやすい部位とおすすめの選び方
チューリップ唐揚げには、手羽先・手羽元の先端付きの部位が定番です。ジューシーさを重視するなら、国産若鶏や銘柄鶏(名古屋コーチンなど)を選ぶと安心です。
ふっくらとした「花」のボリューム感を出したいなら、身付きの良い手羽元が扱いやすく、細くスタイリッシュなシルエットにしたいなら手羽先が向いています。鶏の品種や育ち方によって肉質や脂の量も変わるため、あっさり好みなら胸肉寄りの部位、こってり好みなら脂のある手羽元を選ぶなど、好みで使い分けてください。
失敗しない「チューリップの成形」のコツ
関節に沿って無理に切り離さず、骨に沿って包丁を滑らせながら肉を引き上げると、きれいなチューリップ形に仕上がります。包丁はよく研いでおきましょう。
骨の周りに残った筋や軟骨を丁寧に外すと、揚げたあとに花のようにふんわり丸く仕上がります。成形時に肉を均等に寄せておくことで、揚げたときの火の通りがそろい、見た目も味も安定します。最初は1〜2本で練習し、骨の位置をイメージしながら作業すると失敗が減ります。
下味で差がつく!基本の調味料と漬け込み時間
下味は、醤油・酒・みりん・おろし生姜・おろしにんにくを基本に、30分〜2時間ほど漬けると味がしっかり入ります。冷蔵庫で一晩置くと、より深い味わいになります。
この下味の工程を丁寧に行うほど、仕上がりに大きな差が出ます。にんにくや生姜の量を増やすとパンチのある味に、みりんをやや多めにするとコクと照りが増し、ツヤのある見た目になります。塩分を控えたい場合は醤油を減らし、ハーブやスパイスを補うと、物足りなさを感じにくくなります。
基本のチューリップ唐揚げレシピ
材料と道具一覧(4人分の目安)
| 材料 | 分量の目安 |
|---|---|
| 手羽先 | 8〜12本 |
| 醤油 | 大さじ2 |
| 酒 | 大さじ2 |
| みりん | 大さじ1 |
| おろし生姜 | 小さじ1 |
| 小麦粉・片栗粉 | 各適量 |
| 揚げ油 | 適量 |
あると便利な道具
- 菜箸
- バット
- 温度計
衣に卵を加えるとふんわりとした重めの仕上がりに、片栗粉を多めにするとカリッと軽い食感になります。温度計を使って油温を一定に保つと、揚げ色と火通りがそろいやすくなります。
手順1:チューリップをきれいな形に整える
骨を露出させるように肉を引き上げ、余分な脂や膜を取り除きます。
肉の厚みに極端な差がある部分には、軽く切り込みを入れて厚みをならしておくと、揚げ上がりがそろい、丸くふくらみやすくなります。膜や血合いをていねいに取ることで臭みが減り、仕上がりの色もきれいになります。
手順2:下味をしみ込ませるポイント
成形した手羽を漬けダレに浸し、ラップをかけて冷蔵庫で休ませます。途中で一度上下を返すと味が均一に行き渡ります。
ビニール袋に入れて空気を抜いておくと、少ない調味料でも全体にしっかり味が回り、漬け込み時間も短縮できます。下味は「時間」と「温度」をコントロールすることで、味の入り具合が変わります。
手順3:衣づけと、カリッと仕上がる揚げ方
軽く粉をまぶし、170〜180℃の油で色づくまで揚げます。二度揚げをすると、よりカリッとした食感に仕上がります。
粉は薄くまんべんなくつけ、余分な粉はしっかりはたいて落とすことで、油の吸いすぎを防げます。1度目は中火でじっくり火を通し、2度目はやや高めの温度で短時間揚げて表面だけをカリッとさせると、外は香ばしく中はふっくらとしたバランスになります。
手順4:油切りと、ジューシーさを保つ仕上げテク
揚げ上がったら油から上げて網の上で休ませ、仕上げに塩をひと振りします。蒸気をしっかり逃がすことで衣が締まり、ジューシーさを保てます。
キッチンペーパーの上にべったり置くと、蒸気で衣がふやけやすいので、網やバットで底を浮かせるのがコツです。少し休ませることで肉汁が全体に行き渡り、かじったときにうまみが広がります。ここでレモンを添えたり、ハーブソルトを振ったりすると、香りのアクセントにもなります。
令和仕様にアップデート!アレンジチューリップ唐揚げ
味つけアレンジ
にんにく醤油、甘辛ヤンニョム、レモンペッパーなど、下味や仕上げソースを変えて楽しめます。
例えば、赤いソースならコチュジャン系、黄色ならカレーマヨ、グリーンならバジルソースといったように、色と味をリンクさせると、並べたときに統一感が出て、見た目も楽しくなります。
見た目アレンジ
ブーケ風盛りつけ、一口サイズのミニチューリップ、カラフルソースでのデコレーションなどで、華やかさと「映え」を演出できます。
グラスや小さな花瓶にレタスやパセリを敷き、そこにチューリップ唐揚げを挿すと、本物のチューリップブーケのような演出になります。カラフルなソースをドット状にお皿へ散らしたり、縁にパプリカパウダーや抹茶塩をあしらったりすると、花壇や花畑を思わせるプレートに仕上がります。ミニサイズで作れば、原種系チューリップのような可憐な印象にもなります。
大人向けおつまみアレンジ
スパイスをきかせて、ビールやワインに合う大人向けおつまみにすることもできます。
黒胡椒やクミン、コリアンダーなどのスパイスをきかせたチューリップ唐揚げは、赤ワインやビールと相性抜群です。ほろ苦いルッコラやオリーブを添えると、「洋風おつまみプレート」として楽しめます。バルサミコ酢や粒マスタードを合わせれば、上品で大人な味わいになります。
パーティーの主役にぴったりなチューリップ唐揚げ
昭和から愛されてきたチューリップ唐揚げは、今もなお「お祝い」や「特別な日」のテーブルを彩る存在です。基本の作り方とちょっとしたアレンジを押さえれば、令和のパーティーシーンでも主役級の一品として活躍してくれます。
昭和のごちそうとして親しまれてきたチューリップ唐揚げは、今の時代のテーブルでも、見た目と食べやすさで存在感を放つひと皿です。
手羽先や手羽元をチューリップ形に成形し、しっかり下味をつけて揚げるだけで、どこか懐かしく、それでいて写真に撮りたくなるような一品に仕上がります。基本のレシピをベースに、ソースやスパイスで色や味わいを変えれば、子どものパーティーから大人のお酒の席まで、シーンに合わせたアレンジもしやすくなります。
ブーケ風の盛りつけやカラフルなソース使いなど、ちょっとした工夫を加えるだけで、テーブルが一気に華やぎます。次のお祝いごとや集まりには、昭和の懐かしさと令和の「映え」を一緒に楽しめるチューリップ唐揚げを、主役候補に加えてみてはいかがでしょうか。

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